Diary

獅子身中の虫


 昨日の日記「福島大臣罷免」で、私は彼女のことを「獅子身中の虫」だと書いた。その考えは今でも変わっていないが、実は彼女よりももっと影響力の大きい大物の虫が民主連立政権内にいることを追記しておきたい。

 それは、おそらく察しがつくだろうとは思うが、民主党幹事長の小沢一郎氏にほかならない。

 私の会社のオフィスは青山通りに面していて、平日は毎日のように右翼の宣伝カーが「黄金虫の歌」の替え歌をスピーカーで流しながら走りすぎる。その替え歌は、
♪小沢の一ちゃん金持ちだ 金蔵建てた蔵建てた・・・・・

というもの。

 その“小沢の一ちゃん”が今回の福島大臣罷免を受けて、社民党が連立与党離脱を決定するにあたり、福島瑞穂社民党党首に電話で「あなたは筋が通っている」と言い、さらには鳩山首相を批判したとのこと。

 先の高速道路料金改定の際に、前原国交省に横やりを入れて憤慨させたことは記憶に新しい。が、政府に対して一国会議員である小沢氏が影響力を持つこと自体、いくら影の実力者とはいっても本来はあり得ないことだ。

 鳩山首相も小沢氏に対しては腫れ物に触るような思いで、おそらくは言いたいことも言えずに歯がゆい思いをしていることだろう。外部では国民新党と社民党との連立を維持するために、両党との擦り合わせに心を砕き、内部では“小沢の一ちゃん”に対して頭が上がらず、そんな「前門の虎後門の狼」のような環境が、政治的決断力に著しく欠ける鳩山首相を生んでしまったのではないだろうか。首相が国民新党・社民党に対して強く出られないのをいいことに、亀井静香・福島瑞穂の両氏は言いたい放題だった。

 一つの目的の元に集結した組織というものは、外部からの攻撃に対していかに強固であったとしても、内部の不和によっていとも簡単に崩壊してしまうものだ。民主党連立政権内部に不和を生じる要因を抱えているならば、まず何よりも優先して不和分子の排除を行う必要がある。
2010年05月30日(日) No.19 (雑感)

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