評     価  

 
       
File No. 0787  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年07月26日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   M・ナイト・シャマラン  
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー   人類は滅びたいのか。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   マーク・ウォールバーグ [as エリオット]
ズーイー・デシャネル [as アルマ]
ジョン・レグイザモ [as ジュリアン]
ベティ・バックリー [as Mrs.ジョーンズ]
アシュリン・サンチェス [as ジェス]
スペンサー・ブレスリン
ヴィクトリア・クラーク
フランク・コリソン
 
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あ ら す じ    科学の教師エリオットが勤務するフィラデルフィアの高校に、セントラルパークでテロ攻撃と思われる大事件が起きたとの知らせがもたらされる。セントラルパークでは、大勢の人々が突如として立ちつくし、そして次々と自ら命を絶っていったのだ。彼ら犠牲者には、第一段階で言語の錯乱、第二段階で方向感覚の喪失といった兆候が見られたという。高校の生徒たちは帰宅させられ、エリオットは同僚の数学教師ジュリアンの誘いに応じ、電車で避難することになった。
 帰宅したエリオットは、このところ夫婦仲がしっくりいっていない妻アルマを伴い、駅でひとり娘ジェスを連れたジュリアンと合流した。彼らはやはり遠くへ避難しようという乗客で満員となった列車に乗り込んだが、その列車も目的地にたどり着くことなく、途中で乗客は皆降車しなければならなくなった。外部との連絡がすべて不通となったためだった。そして、その間も異変は拡大し続け、ついにはアメリカ東部全域へと拡散していった。エリオットはアルマ、それに、妻を捜すために別行動をとったジュリアンから託されたジェスを連れ、どこにあるとも知れない安全な場所を探す過酷なサバイバルへと身を投じるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    今回、この『ハプニング』を観て確信した。M・ナイト・シャマランはとっくの昔に終わっていると。例えて言うなら、「過去の『シックス・センス』という巨大な亡霊から逃れられず、未だに自分の能力を正確に把握できない自信過剰男」とでも言うべきだろうか。ハッキリ言って、もうこの監督には観客を唸らせるような佳作は作れない。『シックス・センス』は偶然の産物であって、決して彼の力量が生んだ作品ではない、そう酷評されたとしても、それを甘んじて受け入れる謙虚さを持つべきだ。『ヴィレッジ』を観た時に、そのことに気づくべきだったと今深〜く後悔している。
 主人公を熱演しているマーク・ウォールバーグには申し訳ないが、ある程度覚悟していたその通りこの作品もやっぱり面白くない。何のオチもなければ、異変が起こった原因についての説明もない。すべてを観た者の想像に委ねるとでも言うのか?大風呂敷を広げるだけ広げておいて「あとは知らない」とは、無責任にもほどがある。だいたい、この作品を通して彼は何が言いたいのだ?自然を蹂躙し続けてきた人間に対する警告?それとも、極限状態での夫婦愛の再認識?いずれにしても、この作品の映像をもって語るにはあまりに陳腐だ。わけもわからずに異変が起きて、わけがわからないまま異変が終わった・・・・・そこには主義主張やテーマといったバックボーンなど、そもそも存在しないというのが正解だろう。
 工事現場でヘルメットを着用して登場したシャマラン監督。同僚の突然の死に恐れおののくよりも、まず最初に自分が死んでみた方が面白かったんじゃないの?『シックス・センス』というたった一度の秀作ゆえに未だに夢から醒めやらない哀れな男の末路を見た気がした、などと言ったら言い過ぎかな?