評     価  

 
       
File No. 0798  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年08月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マイク・ニューウェル  
       
上 映 時 間   137分  
       
公開時コピー   51年と9ヶ月と4日、君に飢えて眠り、君を求めて目覚める。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ハビエル・バルデム [as フロレンティーノ・アリーサ]
ジョヴァンナ・メッツォジョルノ [as フェルミーナ・ダーサ]
ベンジャミン・ブラット [as フベニル・ウルビーノ]
カタリーナ・サンディノ・モレノ [as イルデブランダ]
ヘクター・エリゾンド [as ドン・レオ]
リーヴ・シュレイバー [as ロタリオ・トゥグット]
アナ・クラウディア・タランコン [as オリンピア・スレータ]
フェルナンダ・モンテネグロ [as トランシト・アリーサ]
マルセラ・マール [as アメリカ・ヴィクーニャ]
ウナクス・ウガルデ [as フロレンティーノ・アリーサ(少年時代)]
ローラ・ハリング [as サラ・ノエリガ]
ジョン・レグイザモ [as ロレンソ・ダーサ]
 
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あ ら す じ    19世紀末のコロンビア・カルタヘナ。郵便局員のフロレンティーノ・アリーサは、配達先の令嬢フェルミーナに恋をする。何通もの恋文をフェルミーナに送り続けたフロレンティーノは、ついに彼女の心を射止めることに成功し、結婚の約束を取り付けるまでに至った。しかし、金持ちに娘を嫁がせようとする彼女の父ロレンソに引き裂かれ、2人は離ればなれになってしまう。2年後、戻ってきたフェルミーナにフロレンティーノは声をかけるが、フェルミーナから「あの時は目が曇っていた」とキッパリ断られてしまう。
 数年後。病に倒れたフェルミーナは、彼女を看病した医師フベニル・ウルビーノの求愛を受け入れる。ついに結婚してしまったフェルミーナにフロレンティーノは落ち込むが、いつか彼女の夫が亡くなり自分に求婚する権利が与えられる日まで、何年でも彼女を待ち続けることを心に誓うのだった。
 以来、フロレンティーノはフェルミーナを待ち続ける苦しみから逃れようと、何人もの女性と体の関係を結んでいく。その数、622人。そして、622人目の女性アメリカと閨を共にしていた時、教会の鐘が鳴り響いた。フェルミーナの夫フベニルが亡くなった報せだった。51年もの間、フロレンティーノがただひたすら待ち続けていた時がついに訪れたのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    18世紀末から19世紀初頭にかけて、文字通りコレラの時にひたすら一人の女性を想い続けた男を描いた作品で、主演は『ノーカントリー』でアカデミー助演男優賞を受賞したハビエル・バルデムだ。この作品を観て最初に感心したのは、よくもあれだけハビエルに似た若い俳優を見つけてきたものだということ。若い日のフロレンティーノを演じたウナクス・ウガルデが、本当にハビエルにそっくりなのだ。だが、それに対してフロレンティーノが想い続けたフェルミーナは最初から最後までジョヴァンナ・メッツォジョルノが演じていたのはいかがなものか。というのも、撮影当時彼女は33歳なのだが、どう見ても40代にしか見えないのだ。50年以上もの間、ずっと一人の男を惹きつけてやまなかったフェルミーナだけに、ジョヴァンナ・メッツォジョルノが演じていてはあまりに説得力に欠ける気がする。女優の選択次第では、作品自体に対する印象も大きく変わっていたと思う。
 作品は、ハビエル・バルデムのちょっとコミカル・タッチの演技のおかげで、随所に笑いがちりばめられていたのは意外。てっきり、徹頭徹尾シリアスなラブ・ロマンスだと予想していたから、いい意味で予想を裏切ってくれ、最後まで退屈することはなかった。けれども、作品がいきなりフェルミーナの夫が亡くなったシーンから始まり、その次はフロレンティーノが梯子から転落するシーンとなると、全く脈絡がないために一時的に理解不能に陥ってしまった。何らかの効果を狙ってこういう構成に編集されたのだろうが、それが裏目に出ているとしか思えない。