評 価
File No.
0820
製作年 / 公開日
2008年 / 2008年09月13日
製 作 国
日 本
監 督
中島 哲也
上 映 時 間
105分
公開時コピー
小さな女の子がくれた大きな幸せ♪
明日をなくしな女の子と明日がいらない大人達のミラクル感動ファンタジー♪
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
役所 広司
[as 大貫]
アヤカ・ウィルソン
[as パコ]
妻夫木 聡
[as 室町]
土屋 アンナ
[as タマ子]
阿部 サダヲ
[as 堀米]
加瀬 亮
[as 浩一]
小池 栄子
[as 雅美]
劇団ひとり
[as 滝田]
山内 圭哉
[as 龍門寺]
國村 隼
[as 木之元]
上川 隆也
[as 浅野]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
今よりちょっと昔。患者達のみならず、医師や看護師までもが変人揃いの病院があった。患者のひとり、大会社の経営者であるワガママジジイ
大貫
は、二言目には「お前が私を知っているだけで腹が立つ」と周囲に当たり散らし、病院中から嫌われていた。そんな大貫はある日、毎日同じ絵本を読んでいる無邪気な少女
パコ
と出会う。無邪気な少女パコに対しても変わらず傍若無人に振る舞う大貫は、ある時自分のライターをパコが盗んだと誤解して、パコをひっぱたいてしまう。
ところが、翌日会ったパコは何事もなかったような顔で大貫のことを知らないという。実はパコは、交通事故に遭って両親を失い、その時の後遺症で一晩眠るとその日の記憶をすべて失ってしまうのだった。パコが読んでいる絵本は母親からの誕生日プレゼントで、パコは毎朝起きると枕元にあるその本をプレゼントだと思い込み、周囲の人間に嬉しそうに話すのだった。
いつも同じ記憶の中で生きるパコを不憫に思った大貫は、叩いた事を謝ろうとしてパコの頬に触れた時、パコは意外な言葉を口にした。「おじさん、昨日もパコのほっぺに触ったよね?パコはおじさんのこと知ってるの?」。大貫の心は大きく動かされ、初めて自分から名前が大貫であることをパコに教えた。そして、パコの心に何か残してやりたい、そう考えた大貫は、病院中の全員を集めてパコが読んでいた絵本を劇にしてパコに見せてやろうと提案するのだった・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
中島哲也監督というと真っ先に連想されるのが『嫌われ松子の一生』。正直私には『松子』は面白いとは思えなかったために、どうも中島監督にはいい印象を持てずにいた。この『パコと魔法の絵本』もそのためか、かなり身構えて観たのだが、大きく予想を裏切られた。今年観た邦画の中では、間違いなくトップクラスに入る作品だ。
主役のワガママジジイ大貫を演じる役所広司の傍若無人ぶりはさすがで、その大貫がパコと出会って大きく変わっていく様を実に自然に見せてくれている。そして、特筆すべきはパコを演じたアヤカ・ウィルソンの可愛さだ。「人形のような可愛さ」とは彼女のことで、演技がちょっと・・・・・と思えなくもないが、そんな欠点を補って余りある。
映像が全体的に原色に溢れていて、少々目が疲れる気がしないでもないが、実写とCGキャラクターの合成も技術を見せるための技術ではなく、あくまで作品を引き立てるための技術という立場から逸脱していないのがいい。ラストの思わぬ展開は、ついつい目頭が熱くなってしまった。