評     価  

 
       
File No. 0846  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年10月18日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   D・J・カルーソー  
       
上 映 時 間   118分  
       
公開時コピー   それは、全てを見ている。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   シャイア・ラブーフ [as ジェリー・ショー]
ミシェル・モナハン [as レイチェル・ホロマン]
ロザリオ・ドーソン [as ゾーイ・ペレス捜査官]
マイケル・チクリス [as カリスター国防長官]
アニソニー・マッキー [as スコット・ボウマン少佐]
ビリー・ボブ・ソーントン [as トーマス・モーガンFBI捜査官]
イーサン・エンブリー
アンソニー・アジジ
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    コピーショップで働く青年ジェリー・ショーは、彼が誇りに思っていた双子の兄を交通事故で失う。そして、その事故を発端に、ジェリーはやがて大きな陰謀の渦に巻き込まれていく。手始めは、彼が帰宅中に立ち寄ったATMで金をおろそうとすると75万ドルもの残高があり、さらに、帰宅すると彼宛に大量の段ボールが届いていた。
 段ボールを開けてみると、中身は拳銃や機関銃、はては軍事機の操作マニュアルなど、彼にはまったく身に覚えのない品物だった。そして、彼が途方に暮れる間もなく携帯電話に着信が入る。知らない女性から「間もなくFBIが踏み込んでくるから逃げろ」とのメッセージだった。そして、その言葉通りFBIが現れ、事態を把握できずにいたジェリーは捕らえられてトーマス・モーガン捜査官から尋問を受けることになる。しかし、再び謎の女からの着信があり、その指示に従って脱出に成功するのだった。
 幼い息子の遠出を見送ったシングルマザーのレイチェルの携帯に着信が入る。声の主は聞き覚えのない女性で、彼女の指示に従わなければ息子の命はない、とレイチェルは脅迫される。やむなく指示に従って車を走らせ、その先で彼女が拾ったのは、奇しくもFBIから脱出してきたジェリーだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    あまり期待していなかったのだが、思ったよりもいい出来で結構面白かった。少なくとも、先日公開された『ウォンテッド』などより優れている作品であることは間違いない。なぜ、謎の女にジェリーが選ばれたのか?おそらくは彼の双子の兄の死が関係しているのではないかと漠然とは想像していたが、結局最後までその理由は明かされない。敵の正体はうすうす想像がついてしまうが、「なぜ彼が」と観る者に興味を持たせたままラストまでグイグイと引っ張っていく構成は見事。そして、ラストでは選ばれるのは彼でなければかったという明確な理由が提示され、それはとってつけたような説明ではなく充分納得できるものだったので満足。それにしても、『トランスフォーマー』、『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』に続いて本作と、主役クラスの出演が続くシャイア・ラブーフは、それほどまでにスピルバーグに気に入られているのだろうか?確かに、悪い役者ではないとは思うのだが。
 ただ、なぜジェリーが選ばれたのか、その必然性には納得できた反面、もう一人の主役であるレイチェルが選ばれた理由に関しては、作品中で全く触れられていないのが気になる。敵の首魁が何者かを考えると、そこには必ず理論的に説明できる確たる理由が存在するはずなのだが。また、ラストで敵の首魁があれほどあっけなく倒されてしまうのには納得がいかない。だったら、なぜ大事に至る前にああしておかなかったのか、と。