評 価
File No.
0933
製作年 / 公開日
2009年 / 2009年03月07日
製 作 国
日 本
監 督
中村 義洋
上 映 時 間
123分
公開時コピー
シロか、クロか。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
竹内 結子
[as 田口公子]
阿部 寛
[as 白鳥圭輔]
堺 雅人
[as 速水晃一]
羽田 美智子
[as 花房美和]
山本 太郎
[as 佐藤拓馬]
高島 政伸
[as 沼田利博]
貫地谷 しほり
[as 如月翔子]
尾美 としのり
[as 三船啓二]
野際 陽子
[as 藤原看護師]
平泉 成
[as 黒崎誠一郎]
國村 隼
[as 高階院長]
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あ ら す じ
東城大学付属病院で起きた「チーム・バチスタ事件」を見事に解決したと思われ、
高階院長
から病院内の諸問題を扱う倫理委員会の委員長に身命された不定愁訴外来医
田口公子
のもとに、ある日一通の差出人不明な郵便物が届く。中身は、「救命救急センターの
速水晃一
センター長が、医療機器メーカーのメディカルアーツと癒着しており、
花房看護師長
は共犯だ、との手書きの告発文だった。さらに、メディカルアーツの営業マンが病院のヘリポートから投身自殺を図るという事件が発生し、田口は院長から再び告発文の送り主究明と併せて事件に関する調査を行うよう命じられるのだった。
そんな時、前回の事件を解決した厚生労働省の
白鳥圭輔
が、あろうことか骨折で病院に運び込まれる。期せずして再会を果たした田口と白鳥。そして、白鳥は「仕方がないから今回もあなたを手伝うことにしました」などとぬけぬけと恩着せがましく田口に言う。実は、白鳥の元にも田口に送られた告発文が届いていたのだ。ただし、田口に届いた物とは異なり、文章はワープロで打ってあり、看護師長が共犯であるという一文は書かれていなかったが。
告発文に書かれていた救命救急センター長の速水は“ジェネラル・ルージュ”すなわち「血まみれ将軍」という異名を持つ男で、救命医としての手腕は天才的だが、一方ではその傲慢とも言えるワンマンぶりに周囲は敵ばかりの四面楚歌の状態に置かれていた。そして、告発文が倫理委員会の副委員長であり、反・速水の筆頭とも言われる精神神経科准教授の
沼田利博
の目に触れ、沼田はここぞとばかりに倫理委員会を開き、速水の弾劾を企てるのだが・・・・・。
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たぴおか的コメント
ドラマとしては面白い。だが、タイトルにもなっているジェネラル・ルージュの“凱旋”とは、一体何が“凱旋”なのか意味不明。さらに致命的なのが、『チーム・バチスタ』の続編として評価するなら、ただ単に主人公が田口と白鳥の2人だというだけで、まったく別の作品であると言わざるを得ない。例えるなら、某お台場テレビのドラマ『救命病棟24時』の続編と言った方がよっぽどふさわしい。特に後半の展開は、『救命病棟24時』の第2シリーズの最終回でホスゲンによる集団中毒が発生し、スタッドコールによって全スタッフが救命に当たったエピソードそのものと言ってもいい。『救命〜』のホスゲン中毒を火災事故に置き換え、『救命〜』で松雪泰子が演じた女医の香坂が、この作品では羽田美智子扮する看護師長に置き換わっただけにしか私には思えない。まぁ、『救命病棟24時』の天才救命医・遠藤はチュッパチャプスは舐めないのだが(笑)。
それだけではなく、後半は謎解きなどそっちのけで救命の現場の描写に終始して、田口もほんのチョイ役でしか登場せず、白鳥などは全く出番なしという有様だ。この作品は救命センター長の速水を主人公にしたもので、用意された見せ場もすべて彼のためにあると言って過言ではない。前作で容疑者として登場した垣谷雄次(佐野史郎)や酒井利樹(玉山鉄二)をゲスト出演させたのも虚しいだけで、この展開では全く何の意味もなしていない。
クドいようだが、これが単に救命センターを描いた作品であれば、(ちょっと主人公の速水がカッコ良すぎるが)そこそこ評価できる作品かもしれない。とても2時間の上映時間だったとは思えないほどアッという間に終わってしまった感があるし、娯楽性は十分だ。けれども、観終えた後に、肝心の竹内結子や阿部ちゃんの顔が浮かんでこない。思い起こされるのは、チュッパチャプスを咥えた堺雅人の顔だけなのだ。そして時間が経てば、おそらくは「チーム・バチスタシリーズの作品」を観たことなど忘れてしまい、ただ「あの堺雅人が主人公の救命センターを描いた作品」としか記憶に残らないと思う。