評     価  
 
   
File No.   0945  
   
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年03月20日  
   
製  作  国   アメリカ  
   
監     督   ペイトン・リード  
   
上  映  時  間   104分  
   
鑑  賞  日         
   
劇     場         
 
公開時コピー   もしも、すべてに“YES”と答えたら。  
キ ャ ス ト   ジム・キャリー [as カール・アレン]
ズーイー・デシャネル [as アリソン]
ブラッドリー・クーパー [as ピーター]
ジョン・マイケル・ヒギンス [as ニック]
リス・ダービー [as ノーマン]
テレンス・スタンプ [as テレンス]
サラ・アレキサンダー [as ルーシー]
モリー・シムス [as ステファニー]
ブレント・ブリスコー [as ホームレスの男]
 
あ ら す じ    銀行で貸付を担当しているバツイチのカール・アレンは、仕事では借り入れの申請者をいつも却下し、プライベートでは友人からの誘いに常に「No」と断る、極度に消極的な男だった。ある日仕事が終わって、いつものレンタルビデオ店でDVDを物色していた彼の携帯に着信が入る。相手は親友のピーターだった。嫌々呼び出されてみると、ピーターが婚約したことを聞かされ、その婚約パーティに出席して欲しいとの頼みだった。しかし、どうしても乗り気のしないカールは、結局パーティをすっぽかしてしまう。
 そんなカールはある日、友人の誘いで気が進まないながらもあるセミナーに参加する。そして、セミナーの主宰者であるテレンスから、意味のある人生を送るための唯一のルールは、すべてのことに「Yes」と答えるだけ、と説かれる。そして、セミナーの帰路で早速カールを試すかのように、一人のホームレスが住処にしている公園まで来るまで送って欲しいと頼んでくる。カールが渋々「Yes」と答えると、ホームレスはさらにカールの携帯を電池が切れるまで使いまくったうえに、お金を要求するなど、だんだん図に乗ってくる。その挙げ句に、ホームレスを降ろした直後に車はガス欠になってしまい、カールは歩いてスタンドまで往復する羽目になってしまった。
 教え通りに「Yes」と答えた結果散々な目に遭ってしまったカールだったが、そのおかげでスタンドでアリソンと知り合うことになる。彼女のバイクで車まで乗せてもらったカールは、それまでは断り続けていたライブの勧誘にも「Yes」と返答し、ライブで歌っていたアリソンと偶然再会する。そして、アリソンはカールの何にでも「Yes」と答える積極的な人柄に惹かれていき、2人は互いに愛し合うようになる。何にでも「Yes」と答えることで、カールの周囲では物事がすべて彼にとって好転するようになる。しかし、そんな彼を思わぬ落とし穴が待ち受けていたことを、その時の彼は気づくはずもなかった・・・・・。
 
たぴおか的コメント    久しぶりにジム・キャリーが本領発揮、おバカな笑いをとりながらも単なるバカ男で終わらない、心にじんわりとしみ込むような演技を堪能させてくれた。この作品のカールのように、おバカな男なのだが実はその内面には繊細さを持つ、そんな役柄を演じさせると本当に素晴らしい演技を見せてくれる。ちょっと甘い気もするが、この“イエスマン”という姿勢には教えられることも多く、今年2作目の星10個を付けてみた。
 カールのように何でも否定して消極的に生きるよりは、“イエスマン”になって積極的に生きる方がいいに決まっている。そんな至極単純なテーマだけに、誰にも自分に照らし合わせて観る事ができる。そして、“イエスマン”というのはカールのようにあらゆる返答にすべて「イエス」と答えるのではなく、実際には自分で考えて答えを決めるというセミナー主宰者テレンスの言葉のおかげで、ストーリーの荒唐無稽さに現実味が加えられている。あくまで“イエスマン”とは心構えの問題なのだ。
 今回、ジム・キャリーの相手役アリソンを演じたズーイー・デシャネルが魅力的でとてもいい。加えて、アブナイ新興宗教のノリのセミナーを主宰するテレンスを演じた同名のテレンス・スタンプが、真面目に演じているのに妙に笑いを誘う。そして、リス・ダービー扮するカールの上役ノームが、最初は嫌みな上司かと思いきや、自宅で『パリー・ポッター』や『300』の仮装パーティを開いているのには笑った。愛すべきキャラクターに囲まれて、ジム・キャリーが思う存分見せてくれるこの作品、今年初の是非もう一度劇場で観たくなる作品だった。