評     価  

 
       
File No. 0962  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2009年04月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   羽住 英一郎  
       
上 映 時 間   102分  
       
公開時コピー   見せられるわけ、ないじゃん!?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   綾瀬 はるか [as 寺嶋美香子]
木村 遼希 [as 平田育夫]
高橋 賢人 [as 楠木靖男]
橘 義尋 [as 城良樹]
本庄 正季 [as 杉浦健吾]
恵 隆一郎 [as 江口拓]
吉原 拓弥 [as 岩崎耕平]
青木 崇高 [as 堀内健次]
仲村 トオル [as 城和樹]
田口 浩正 [as 竜王中バレー部顧問]
市毛 良枝 [as 美香子の恩師・原田の妻]
光石 研 [as 戸畑第三中教頭]
石田 卓也 [as バレー部先輩]
大後 寿々花 [as 中学時代の美香子]
福士 誠治 [as 美香子の元彼]
 
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あ ら す じ    1979年の福岡。戸畑第三中学に臨時の新任教師寺嶋美香子が赴任してくる。彼女は中学時代の恩師の影響で国語教師になったものの、前の学校でのある事件をきっかけに生徒の信用を裏切り、教師という職業に自信を喪失していた。そんな美香子は着任早々男子バレー部の顧問を任され、張り切って引き受けたものの、蓋を開けてみると男子バレー部はとんでもない部だった。部員は平田楠木杉浦江口岩崎の5名しかいないうえに、やる気もなければ練習もしたことがなく、部室でHな会話に盛り上がるだけの廃部寸前の部だったのだ。
 美香子は彼らのやる気を喚起するために、部員に「あなたたちが頑張るなら先生は何でもする」と宣言すると、部員たちからは思いもかけない返事が返ってきた。それは、「試合に勝ったら先生のおっぱいを見せてください」というあり得ない要求だった。もちろん美香子は断ろうとしたが、部員からの「嘘つき」という言葉に引っ込みが付かなくなってしまう。その言葉は彼女が前の学校で自信を喪失したきっかけとなった言葉だったのだ。
 部員たちは「おっぱい見るぞ−!」を合い言葉に、以前とは別人のように張り切って練習するようになる。そして、バレー経験者の1年生も加わって、次第にチームらしい体裁を整えていく。そんな部員たちを見ていると、美香子は「おっぱいは見せたくない!」が「生徒たちには勝って欲しい!」という矛盾する思いの板挟みになっていく。しかし、美香子は下心をちらつかせながらも相談相手になってくれる同僚の堀内の支えのもと、城の父親和樹に指導を仰ぎ、見違えるほど強いチームとなっていった。
 ところが、ついに迎えた大会の初戦は不戦勝となったものの、2回戦で県下随一の強豪竜王中と当たることになってしまう戸畑第三中学男子バレー部。さらに、美香子の“おっぱいの約束が学校に知られて、大問題に発展してしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    綾瀬はるか主演という点だけに興味を持った作品だったが、予想以上に面白かった。時代設定を現在に変えることなく、70年代で描いたのが功を奏しているようだ。特に、バックに流れる曲が当時のヒット曲というのが懐かしく、今覚えているだけでもピンク・レディーの「渚のシンドバッド」、荒井由美(現:松任谷由美)の「卒業写真」「ルージュの伝言」、甲斐バンドの「HERO〜ヒーローになる時、それは今〜」、ツイストの「燃えろいい女」、キャンディーズの「微笑みがえし」がそのまま使われていたのは嬉しい。中でも、まさか永井龍雲の「道標ない旅」が聴けるとは思ってもいなかっただけに、当時の思い出が甦って胸が熱くなった。ただ、惜しまれるのはフィンガーファイブの「個人授業」で、CaoCaoだか何だか知らないが、下手なカバーは幻滅するだけなので絶対にやめて欲しかった。
 それにしても、先生のおっぱいが見られるだけであれほどまでに頑張れてしまうとは、今の中学生では考えにくいことだが70年代の中学生だったらそれもアリだと納得できる。中学生の時にもしも綾瀬はるかのような顧問がおっぱいを見せてくれるとなったら、私もやはり俄然張り切っただろうことは間違いなく、その点では説得力充分だ(笑)。そして、こんな作品に曲者の代表格のような仲村トオルが出演するとは、一体どんなキャラクターを演じるのかと身構えていたら、意に反して実にフツーな父親を演じていて一安心。こういうストレートな作品では、下手に妙なキャラを絡ませて徒に複雑にすべきじゃないからね。
 綾瀬はるかは、シリアスな役柄も悪くないが、やはりコメディの方が似合っていると思うし、コミカルな役柄の方が一種独特の近付き難いような雰囲気もなく好感が持てる。彼女には『群青 愛が沈んだ海の色』の長沢まさみのように、安易に脱いだりすることだけはして欲しくないものだ。そして、このところチョイ役での登場が目立つ大後寿々花ちゃん、早く主役級の配役で実力を発揮してもらいたいと切に願う。