評     価  

 
       
File No. 1315  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年11月20日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   阪本 順治  
       
上 映 時 間   123分  
       
公開時コピー       

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   仲村 トオル [as 波多野和郎]
小西 真奈美 [as 手塚雅子]
南沢 奈央 [as 広瀬ゆかり]
菅田 俊 [as 大森幸生]
うじき つよし [as 角田]
大林 丈史
でんでん [as マンション管理人]
宮下 順子
佐藤 江梨子 [as 木村美紀]
谷村 美月 [as 藤本江理]
杉本 哲太 [as 園部行雄]
ARATA [as 神山文彦]
窪塚 洋介 [as 中込安弘]
石橋 蓮司 [as 池辺忠賢]
江波 杏子 [as 手塚映子]
 
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あ ら す じ    かつては東京の名門校である敬愛女学園で高校教師をしていたが、生徒だった手塚雅子と恋に落ちて結婚したことが原因で教師を罷免になり、今は故郷の丹波篠山で塾講師をしている波多野和郎は、12年ぶりに東京へと訪れた。彼の元教え子で今は都内の専門学校に通う広瀬ゆかりの祖母が危篤に陥ったため、連絡が取れないゆかりを探すためだった。
 波多野はゆかりが住んでいる麻布のマンションを訪ねると、部屋の中は何者かが物色したかのように荒らされており、角田という男に宛てた郵便が見つかった。そして、マンションを出ると中込安弘からゆかりについて訪ねられたうえに、彼の配下と思われる不審な男たちからわけもわからないままに追われる身となった。追っ手からかろうじて逃げ切った波多野は、ゆかりが失踪したのは何か危険な事件に巻き込まれたためだと悟るのだった。
 角田という男が何者かを確かめようと、ゆかりがバイトしていたという六本木のクラブを訪れた波多野は、そこでかつて彼を敬愛学園から追放した張本人である池辺忠賢と出くわした。そして、池辺の部下の大森幸生から殴る・蹴るの暴行を受けた挙げ句に、次は命がないと脅されてしまう。波多野は傷を負った体を引きずるように、雅子が切り盛りするバーを訪ね、そこで12年ぶりに雅子と再会する。
 波多野は二度と足を踏み入れまいと思っていた敬愛学園を訪ね、事務員の木村美紀から学園内に不穏な動きがあること、その背後に池辺が関わっていることを知る。償いきれないほどの深い傷を雅子に与えたことを負い目に感じながらも、波多野は以前よりもさらに強く雅子に惹かれていく。そして、だからこそ12年前と同じ失敗を繰り返さないことがせめてもの雅子への償いだと考え、ゆかりを救い出すためにさらなる事件の渦中へと身を投じていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    非常に出来のいい2時間ドラマ・・・・・そんな印象を受けた作品。別に劇場の大スクリーンで観なくても、家で寝転んで気楽に観る方がふさわしいように思える。それにしても、今まで何度も仲村トオルが出演する作品を観てきたが、改めて考えてみると彼が主演の作品を観るのはこれが実は初めてであることに気づいた。そして最近ではクセのある役柄が定着してきた感のある仲村トオルだが、この作品では過去の過ちを償うために教え子を必死で救い出そうとする、真摯な役柄を熱演している。
 私の嗜好を知る人にはバレバレなのだが、この作品を観た最大の理由である小西真奈美が光っている。和服姿のバーのママがあれほど艶めかしくて似合っているとは、彼女の新たな魅力を見た気がする。ただ、あれほど簡単に波多野を許して受け入れてしまっていいものかが疑問に思える。波多野を許したように見せかけて、実は・・・・・を期待していた私としては、肩すかしを食らったような感がある。その辺りの構成の浅さが、この作品を「出来のいい2時間ドラマ」と感じた最大の理由なのだろうと思う。
 そんな中異彩を放っていたのが、窪塚洋介扮する中込安弘だ。波多野にとって敵なのか味方なのか、それは裏を返せば彼を雇っている池内にとっても同様で、自らの利益のためなら何のためらいもなく簡単にボスを裏切る、そんなドライな男が彼の持つイメージにシンクロしていて、生き生きと演じているのが伝わってくる。波多野の教え子を演じたの南沢奈央にもちょっと期待していたのだが、こちらは思ったよりも平凡で残念。谷村美月と役柄を交換した方が良かったのでは?