評     価  

 
       
File No. 1345  
       
製作年 / 公開日   2009年 / 2011年01月15日  
       
製  作  国   アメリカ / スペイン  
       
監      督   ロドリゴ・ガルシア  
       
上 映 時 間   126分  
       
公開時コピー  
私も愛をつないでゆきたい、母のように
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ナオミ・ワッツ [as エリザベス]
アネット・ベニング [as カレン]
ケリー・ワシントン [as ルーシー]
ジミー・スミッツ [as パコ]
デヴィッド・モース [as トム]
サミュエル・L・ジャクソン [as ポール]
S・エパサ・マーカーソン [as アダ]
チェリー・ジョーンズ [as シスター・ジョアンヌ]
エルピディア・カリーロ [as ソフィア]
シャリーカ・エップス [as レイ]
アイリーン・ライアン [as ノーラ]
デヴィッド・ラムゼイ [as ジョセフ]
カーラ・ギャロ [as トレーシー]
マーク・ブルカス [as スティーヴン]
マイケル・ウォーレン [as ウィンストン]
ラターニャ・リチャードソン [as キャロル]
エイミー・ブレネマン [as エレノア・ストーン医師]
タチアナ・アリ [as マリア]
アーメッド・ベスト [as ジュリアン]
グロリア・ガラユア [as メリッサ]
ローレンス・プレスマン [as モーガン医師]
リサ・ゲイ・ハミルトン [as レティシア]
シモーヌ・ロペス [as クリスティ]
ブリタニー・ロバートソン [as ヴァイオレット]
アレクサンドリア・M・セーリング [as 14歳のカレン]
コナー・クランメ [as 14歳のトム]
 
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あ ら す じ    14歳の時に恋人トムの子を身籠もるが、母親の反対に遭い子供を養子にだしてしまったカレン。以来37年の間、母親を介護しながら暮らす日々の中でも、我が子のことを片時も忘れることはなかった。ある日、彼女の勤務先に新任の介護士パコが着任する。パコは持ち前のフランクな性格でカレンにアプローチしてくるが、カレンはパコの気持ちに対し素直に応えることができずにいた。
 母親や家族の愛を知らずにあ37年間を生きてきたエリザベスは、有能な弁護士となって自立した生活を送っていた。家族も恋人も作らずに、今までもそしてこれからも独りで生きていくつもりだったエリザベスに、ある時予想外の出来事が起きた。彼女の上司であるポールとの情事で、避妊をしていたにもかかわらず新しい命を身籠もってしまう。エリザベスはポールの事務所を辞め、今までのキャリアを捨てても子供を産むことを決意した。そして、そのことで今まではずっと心の隅に押しやっていた母の存在を意識し始めた。
 夫との間に子供ができないルーシーは、20歳で妊娠したレイの子を養子にすることを決意した。レイの厳しい条件をクリアしたにもかかわらず、出産当日に産んだ子供を養子には出せないとレイが突然翻意し、ルーシーは途方に暮れる。
 カレンの母親が亡くなり、娘を探すべきだと言う今は夫となったパコの後押しもあって、カレンは名前も顔もわからない我が娘を探す決意をした。一方のエリザベスも、出産を間近に控えて初めて自ら進んで母親を探そうと決意する。しまし、2人の間に運命は非情な形で立ちはだかるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    原題“MOTHER AND CHILD”の通り、いくつかの母親と娘のエピソードを織り交ぜながら、見事に一つの映画に昇華させた作品。もちろん、私の目当てはナオミ・ワッツだったのだが、まだまだ若いと思っていた彼女も既に40歳を越えているとは・・・・・。にもかかわらず、ここ数年は年を経るごとに表情に柔和さが増して、ますます美しくなっていくように思える。彼女がマリリン・モンローを演じる『Blonde』の日本公開が待ち遠しい。この作品で彼女のたぴおか的女優ランキングの上位に名を連ねることになったのは間違いない。
 生まれた日に母に捨てられたエリザベスだからこそ、アクシデントとはいえ身籠もった新しい命を堕ろすことができなかったのだろう。その上、今まで築き上げてきたキャリアをすべて棒に振ってまで子供を育てようという決意は、並大抵ではないと思う。自分が母の愛情を知らない分だけ、自分の子には愛情を注いで育ててあげたい、そんな気持ちの表れなのだろうか。残念ながら男である私には、妊娠・出産というイベントだけはどうあがいても経験することができないから、単に想像するしか術はないのだが、少なくとも男親が子供を思う気持ちよりも、自らの腹を痛めて子供を産む女親の方が子供を思う気持ちは強いのではないだろうか。
 そんなワケで、母親の子供を思う気持ちなど実際には死ぬまでわからないだろう私には、通り一遍のことしか言うことはできないのだが、おそらく女性、しかも出産を経験して母親になった女性にとっては、私なんかよりも感じるところはひとしおだろうと思う。カレンとエリザベスが果たして会うことができるのか、その結末にはかなりの衝撃というかショックを受けたものの、ラストは2人の思いがちょっと報われるような結末で救われた気がする。