評 価
File No.
1382
製作年 / 公開日
2010年 / 2011年03月26日
製 作 国
アメリカ
監 督
デヴィッド・O・ラッセル
上 映 時 間
116分
公開時コピー
頂点へ。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
マーク・ウォールバーグ
[as ミッキー・ウォード]
クリスチャン・ベイル
[as ディッキー・エクランド]
エイミー・アダムス
[as シャーリーン・フレミング]
メリッサ・レオ
[as アリス・ウォード]
ミッキー・オキーフ
[as himself]
ジャック・マクギー
[as ジョージ・ウォード]
メリッサ・マクミーキン
[as “リトル・アリス”・エクランド]
ビアンカ・ハンター
[as キャシー・“ポーク”・エクランド]
エリカ・マクダーモット
[as シンディ・“タール”・エクランド]
デンドリー・テイラー
[as ゲイル・“レッドドッグ”・エクランド]
ケイト・B・オブライエン
[as フィリス・“ブレーヴァー”・エクランド]
ジェナ・ラミア
[as シェリー・ワード]
フランク・レンズーリ
[as サル・ラナノ]
シュガー・レイ・レナード
[as himself]
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あ ら す じ
ディッキー・エクランド
はかつて、後一歩で栄光に手が届くところまで登り詰めたボクサーだったが、今はその怠惰な性格から薬物に溺れる破綻した生活を送っていた。そんな兄ディッキーにボクシングを教えられた、異父兄弟の弟・
ミッキー・ウォード
は、兄とは正反対の地道な性格で、トレーナーであるディッキーとマネージャーを務める母親・
アリス・ウォード
に言われるがままに試合を重ねるが勝利に恵まれず、それどころか自分よりもウエイトが9kgも上回る相手との試合で大怪我を負わされてしまう始末だった。
ところがある時、ディッキーが薬物使用で警察に逮捕され、監獄送りになってしまう。ショックを受けたミッキーだったが、恋人の
シャーリーン・フレミング
の支えもあり、兄や母と訣別して再びボクシングに真剣に取り組む決意をする。そこからのミッキーの快進撃はめざましく、連戦連勝を重ねるミッキーはついにランキング・マッチを迎えるまでに登り詰めるのだった。
初のランキング・マッチでは、前半は圧倒的に打ち込まれたミッキーが逆転勝利を収めるが、その決めてとなったのは兄ディッキーの言葉だった。そして、いよいよ次は世界タイトル・マッチという時、すっかり薬と手を切って出所してきたディッキーを再びトレーナーに迎え、兄弟二人三脚でのチャンピオン・ベルトへの挑戦が始まるのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
実在したボクサー、ミッキー・ウォードを描いた作品で、クリスチャン・ベイルがアカデミー助演男優賞、メリッサ・レオが同・助演女優賞のW受賞となった。そのおかげで主演のマーク・ウォールバーグが霞んでしまった感があるが、『あしたのジョー』の山ピーや伊勢谷友介同様にボクサーとして恥ずかしくないボディを作り上げた努力は並大抵ではなかっただろう。役になりきる努力といえば、この作品でクリスチャン・ベイルが髪を抜き歯並びを変えてまで臨んでいるのには、ただただ頭が下がる思いだ。
そんなわけで、クリスチャン・ベイルのアカデミー助演男優賞は獲るべくして獲ったという感があるが、助戦女優賞に関しては、かなり私情が絡んではいるもののエイミー・アダムスが獲ってもおかしくないように思えるし、さらに独断で言わせてもらえるならば、先日観た『トゥルー・グリット』のヘイリー・スタインフェルドにあげたかった気がする。『トゥルー・グリット』を観ただけでは何とも断言し難かったが、この作品を観たらヘイリー・スタインフェルドの堂々とした演技はメリッサ・レオよりも遙かに強く印象に残っているから。
ボクシングをモチーフにした作品は嫌いではない、と言うよりも、知らず知らず拳に力が入ってしまう私にとっては、この作品もかなりお気に入りの部類に入る。おまけに、マーク・ウォールバーグとクリスチャン・ベイルに加え、主人公ミッキーの恋人役がエイミー・アダムスとなれば、よっぽどのことがない限りは星の数は増えてしまう。ボクシングのファイト・シーンは先日の『あしたのジョー』よりもリアルで迫力充分。加えて、ミッキーの対戦相手がことごとくミッキーにKOされて当然と思えるような演出がニクい。試合後の爽快感がたまらなく、これほどカタルシスが得られる作品も珍しいかもしれない。
ラストではミッキーとディッキーの実物が登場するが、クリスチャン・ベイルが役作りのために頭髪を抜たという努力がここで初めて報われたんじゃないかな(笑)。