評     価  

 
       
File No. 1508  
       
製作年 / 公開日   2011年 / 2011年11月19日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   岩田 ユキ  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   僕の記憶から、
花嫁が消えた
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   山田 孝之 [as 片山輝彦]
小西 真奈美 [as 住友智恵]
真木 よう子 [as 潮崎めぐみ]
池脇 千鶴 [as 鈴木和歌子]
二階堂 ふみ [as エミ]
山内 健司 [as 紺部豊]
佐藤 貴広 [as 渋沢柿生]
マギー司郎 [as 赤富士薬品社長]
水森 亜土 [as 鴨川医師]
杉山 彦々 [as 鷹田医師]
 
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あ ら す じ    赤富士薬品に勤務する片山輝彦は、置き薬の営業成績トップを誇る営業マンだったが、ある日営業先のスケートリンクで転倒して頭を打ち、病院に運ばれる。意識を取り戻した輝彦には自分がなぜ病院にいるのかが思い出せず、営業カバンの中に婚約指輪が入っていたこともまた、全く記憶になかった。そして、担当の鴨川医師から一過性の健忘症と診断される。そして、その時の輝彦は自分がなぜスケートリンクで頭を打ったのかだけではなく、カバンの中にあった婚約指輪の相手についての記憶もなくなっていたことに気づいていなかった。
 そんな彼の前に現れた3人の美しい女性たちが、3人ともまるで輝彦の婚約者であるかのように彼に接してくる。1人目は東大医学部卒で頭痛・生理痛薬研究室のリーダーである住友智恵。営業の輝彦にもアドバイスをくれたりする先輩社員だった。2人目は彼の営業先である“メルヘン風俗モンデルセン”のグミちゃんこと潮崎めぐみ。セクシーな人魚のコスチュームで記憶のない輝彦をベッドに押し倒すという積極的な女性だ。そして3人目は、公演で屋台人形劇をしている清楚な鈴木和歌子。彼女の人形劇は子供にウケが悪く、子供から悪戯されていつも生傷が絶えないため、彼の薬のヘビーユーザーだった。
 輝彦は何とか記憶を取り戻そうと、頭を打ったスケートリンクに何度も通い、そこでいつも滑っている少女・エミと言葉を交わすようになっていた。口は悪いが的を射た彼女の言葉に、次第に輝彦はエミに対しても好意を抱くようになっていく。一方では、3人の女性と日替わりでデートを繰り返してみる輝彦だったが、ますます深みにはまる一方で、3人のうち誰が指輪を渡すべき相手なのか、記憶は一向に戻らなかった。そしてある日、ついに3人の女性たちが鉢合わせしてしまうという事態になり、その時初めて彼は誰が真に指輪を渡すべき相手なのかに気づくのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    内容にはあまり期待していなくて、ただ女性キャストに惹かれて観た作品だったのだが、これが予想を裏切って意外に面白かった。小西真奈美扮するする東大卒のエリートで男性社員のあこがれの的・住友智恵、奔放だが一途な風俗嬢の真木よう子扮する潮崎めぐみ、例によって地味で内気だが何事にも一生懸命な池脇千鶴扮する鈴木和歌子と、3人が見事に適材適所。そんな3人の美女から迫られながら、記憶をなくした山田孝之扮する主人公片山輝彦が、誰が自分の婚約者だったのかを模索するというのがストーリーの根幹になっている。
 私も一応健全な成年男子だから(本当か?)、輝彦が3人のうち誰が本命なのか決められずに悩む気持ちがひじょ〜によくわかる(笑)。もし私が彼の立場に置かれたら、やはり3人から一人を選ぶことなんてできっこない、それほど3人が3人とも魅力的な女性を演じているのだ。と、そこまではありがちな展開かもしれないが、この作品ではさらに第4の女性が絡んでくるのだが、その4人目の彼女もまた3人にひけを取らないくらいに魅力的。初めて観る女優だったが、エンドクレジットで彼女が園子温監督の『ヒミズ』で染谷将太と共にヴェネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞をW受賞した二階堂ふみだと知った。
 最初は二階堂ふみ演じるエミの存在が意味不明だったが、ストーリーが展開するにつれて輝彦はたぶん智恵やめぐみ、和歌子じゃなくてエミを本当に好きになるんじゃないのかなぁ、と想像がつくのだが、実はその裏に大どんでん返しが用意してあるとは思いもしなかった。ただ、そうなるとなぜエミが輝彦にスケート場であんな接し方をしたのかが理解できなくなる。輝彦の記憶がないのをいいことに、からかって楽しんでた?そんな陰険な性格だとは思えないし、思いたくない(かなり私情が絡んでる ^-^;)。
 いきなり冒頭で登場した医師を演じていた水森亜土には正直驚いた、というか、唖然。多分30代以下だと知らない人がほとんどかもしれないが、昔々私が子供の頃からTVで漫画を描いているのを観ていた記憶がある。なんとも年齢不詳なキャラで、私より30歳くらい年上かと思っていたのだが、調べてみたら1939年12月生まれの現在71歳とのこと。相変わらずの厚化粧で、未だに見ただけでは年齢は判別不能だ。また、マギー司郎が輝彦の勤務する赤富士薬品の社長役で登場しているが、マジックを一切披露することのない役柄というのも珍しい。