評     価  

 
       
File No. 1737  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2013年02月15日  
       
製  作  国   カ ナ ダ  
       
監      督   エヴァン・ケリー  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー  
そこで彼らは“何か”に出遭った
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   スティーヴン・チェンバース [as タイラー・クラウレイ]
ジェームズ・ギルバート [as エヴェレット・マネッテ]
デヴィッド・パトリック・フレミング [as クリス・コモー]
マシュー・エイミオット [as ロバート・“ボブキャット”・コモー]
グレン・マシューズ [as ジム・“ハッグス”・ハガン]
メアリー=コリン・チザム [as ポーリーン・クラウレイ]
ナイジェル・ベネット [as リー・シェパード]
 
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あ ら す じ    雪深い森の山荘に、高校時代の親友タイラー・クラウレイクリス・コモージム・“ハッグス”・ハガンエヴェレット・マネッテ、そしてロバート・“ボブキャット”・コモーの5人が久しぶりに集まった。
 年月を重ね、結婚した者もいれば、その日暮らしを続けてきた者もいる。そんな5人の目の前に突如コリドー(光の通路)が現れ、その光に触れた彼らは、他人の思考を読む能力や半不死身の力を得る。力の虜になったエヴェレットは、コリドーの秘密を独占するために、偶然通りかかった狩猟家を絞殺してしまう。
 暴走を始めたのはエヴェレットだけではなく、幻覚を抑える薬を服用していたタイラー以外の4名は、もはや他人の言葉など耳に入らなくなるまでに、コリドーの虜になってしまう。やがて4人はお互いを傷つけあい、血みどろの殺し合いを始めるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    「未体験ゾーンの映画たち2013」の1作品。この日に観た3本の中では、もっともキチンとした作りの作品で、舞台となるカナダの雪景色が美しい。そして、幻想的な“コリドー”の映像が雪景色に映える。作品のジャンルはホラーに属するようだが、この作品を一言で表現するなら「恐怖」ではなく「幻想的」という単語に尽きる。
 原題は“THE CORRIDOR( = 通路,廊下)”となっているが、“THE CURTAIN”や“THE WALL”でも構わないし、むしろその方がふさわしい気はする。その“コリドー”だが、生命体なのかあるいは単なる自然現象なのか、それとも人為的なものなのか、作品中では一切説明されていない。コリドーが一体何物なのかはさほど重要ではなく、この作品の主眼はコリドーによって理性を剥奪され、歯止めが利かなくなった人間の行き着く先のおぞましさ・恐ろしさであり、それがこの作品がホラーたる所以なのだ。
 コリドーによってタイラー以外の4人が理性を失うのはいいが、彼らの繰り広げる行為の残虐さは、頭皮をナイフで剥いだり、イエス・キリストよろしく仲間を杭で打ち付けたりと、「これがホラーだ」と言わんばかりの凄惨さだ。当然のことながら思い切り血を見ることになるから、血に弱い人は観るべきじゃないだろうな。
 コリドーの出現とタイラー母子の関係が今ひとつハッキリしないが、ラストシーンを観る限りは、タイラーの母親がコリドーを生み出すのに大きな役割を果たしているようだ。人を無差別に狂気へと走らせるほど、タイラーの母親の人に対する怨念が凄まじいとは思えないだけに、今ひとつ説得力に欠けるのは惜しまれる。