評 価
File No.
1815
製作年 / 公開日
2012年 / 2013年06月14日
製 作 国
アメリカ
監 督
バズ・ラーマン
上 映 時 間
142分
公開時コピー
その名はギャツビー
男の憧れ、女の理想
その人生は
【嘘(ミステリー)】
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
レオナルド・ディカプリオ
[as ジェイ・ギャツビー]
トビー・マグワイア
[as ニック・キャラウェイ]
キャリー・マリガン
[as デイジー・ブキャナン]
ジョエル・エドガートン
[as トム・ブキャナン]
アイラ・フィッシャー
[as マートル・ウィルソン]
ジェイソン・クラーク
[as ジョージ・ウィルソン]
アミターブ・バッチャン
[as マイヤー・ウォルシャイム]
エリザベス・デビッキ
[as ジョーダン・ベイカー]
アデレイド・クレメンス
[as キャサリン]
マックス・カレン
[as オウル・アイ]
リチャード・カーター
[as ヘルツォグ]
カラン・マッコーリフ
[as 10代のジェイ・ギャツビー]
エデン・フォーク
[as Mr.マッキー]
ケイト・マルヴァニー
[as Mrs.マッキー]
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あ ら す じ
1920年代、ジャズと禁酒法の時代。アメリカン・ドリームを追い求め、故郷の中西部からニューヨークへとやって来た
ニック・キャラウェイ
は、作家になる夢を捨てきれないまま証券会社で働いていた。彼が居を構えた隣の目を見張る宮殿のような豪邸では、毎夜のように豪華絢爛なパーティーが開かれていた。その豪邸の主は大富豪
ジェイ・ギャツビー
という謎に満ちた人物だった。
ある日ニックは、ギャツビーからパーティへの招待を受ける。そして会場で初めて出会ったギャツビーは、彼の想像していた老人などではなく、彼と同世代の魅力的な男だった。これをきっかけにニックに近づいてきたギャツビーは、やがて彼にひとつの頼み事をする。それは、ニックの従姉妹の
デイジー・ブキャナン
と会う機会を設けて欲しいというものだった。デイジーは、親から莫大な財産を受け継いだ上流階級の
トム・ブキャナン
を夫に持ち、ニックやギャツビーの対岸に暮らしていた。
ギャツビーはかつてデイジーと結婚の約束をしていて、彼女が結婚していることなどギャツビーは微塵も意に介していなかった。デイジーとの禁じられた恋はやがて以前にも増して燃え上がり、一方では耳を疑う噂と危険な人脈が明らかになるにつれ、ギャツビーの華麗な仮面は次第にはがされていく・・・・・。
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たぴおか的コメント
この手の作品でナゼ3Dにする必要が?という疑問を感じていたのだが、地元のTOHOシネマズのタイムテーブルだとどうしても3D版になってしまう。やむなく選択した3D版だが、これが思いの外悪くない・・・・・いや、それどころか非常に効果的に3Dが使われていた。1974年に公開された同タイトル作ではロバート・レッドフォードがギャツビーを演じていたようだが、もちろん私は劇場はおろかテレビでも放映されただろうが、一度も目にしていない。
オープニングの凝った作りがまず気に入った。モノクロのタイトルバックがやがてカラーになると共に、早速の3Dであたかもギャツビーの世界へ誘うアーチをくぐっていくような感覚に浸れる。そして、ギャツビーという男をトビー・マグワイア扮するニック・キャラウェイを通じて間接的に語らせる手法も悪くない。ギャツビーの主観で描くよりも、彼のミステリアスな人物像を強調するには、この方がうってつけだ。
今回主役のギャツビーを演じるのは、バズ・ラーマン監督と『ロミオ&ジュリエット』でタッグを組んでいるレオナルド・ディカプリオで、なかなか主人公が登場しないためにやきもきしていたところに、満を持して満面の笑みで登場するとはニクイ演出だ。確かに、ディカプリオが今まで演じてきた役柄の中で、あの瞬間の笑顔ほど好感度が高かったことはなかったんじゃないだろうか。
一代であれだけの財を築き上げたのだから、おそらくは相当な辛酸を嘗めて海千山千の経験を積んだだろうギャツビーだが、女性(デイジー)に対するあまりに度を超えた純粋さは、ひたすら夢を追いかける男の悲劇と言えるだろう。ただひとりの女性のために大成功を収めた男が、そのひとりの女性のために墜ちていく。彼はそれで本望かもしれないが、観ている者にはたまらない悲哀感を味わうラストだった。