評     価  

 
       
File No. 1882  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2013年10月05日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   ミシェル・ゴンドリー  
       
上 映 時 間   131分  
       
公開時コピー   人生は泡のよう。
消えないうちに、愛して。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ロマン・デュリス [as コラン]
オドレイ・トトゥ [as クロエ]
ガド・エルマレ [as シック]
オマール・シー [as ニコラ]
アイサ・マイガ [as アリス]
シャルロット・ルボン [as イシス]
サッシャ・ブルド
フィリップ・トレトン
ヴァンサン・ロティエ
ロラン・ラフィット
ナターシャ・レニエ
ジヌディーヌ・スアレム
アラン・シャバ
 
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あ ら す じ    フランス・パリ。働かなくてもいいほどの資産を持ち自由を謳歌していたコランは、純真な心を持つクロエと出会い恋に落ちる。そして2人は友人たちに祝福されながら結婚する。愛と刺激に満ちた幸せな日々を過ごす2人だったが、そんな日々も束の間、クロエは肺に睡蓮が芽吹くという奇病に冒されてしまう。
 治療費が高額なため財産は底をつき、コランは働きに出ることになる。それでもクロエは日に日に衰弱していき、やがてコランだけでなく彼らの周囲の友人たちの人生までもが狂い始める。もはや残されたのはクロエへの愛だけ、そんなコランはクロエを救うことができるのだろうか・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー監督作で、ゴンドリー監督には『エターナル〜』以来『恋愛睡眠のすすめ』『僕らのミライへ逆回転』と裏切られ続けてきた感があるのだが、『エターナル〜』には遠く及ばないものの、前述の2作品よりは悪くなかった。131分という尺はディレクターズ・カット版で、シネマライズでの上映はそれよりも40分近くもカットされた海外公開バージョンで、95分という短さ。どうやら次の週の土曜日(13日)には同じシネマライズで131分のフル・バージョンが上映されるようだが、残念ながら再度観に行くほどの作品じゃなかったように思える。
 主役のコランを演じるのは、つい先頃『タイピスト』でお目にかかったばかりのロマン・デュリスで、相手役の女性クロエ役がオドレイ・トトゥというのは少しガッカリだったが、以前ほどに彼女に対する拒絶反応も薄れ、普通に観ることができたのは幸いだった。ストーリーは平たく言えば悲恋の物語なのだが、ゴンドリー監督独特の味付けのために、まるで水中を遊泳するような、MOOD INFDIGOな雰囲気を満喫することができる。やはりゴンドリー監督の本領が発揮されるのはファンタジー作品だと、改めて確信した気がする。ネズミを人間が演じたり、家の呼び鈴がゴキブリのように這い回ったり、ダンスの時に脚が伸びたりと、随所の小ネタがファンタジックな演出に花を添えているのもその表れだろう。
 コランの使用人兼親友のニコラを演じるのは、あの『最強のふたり』で一躍脚光を浴びたオマール・シーなのだが、エンド・クレジットを観るまでは気づかなかった。その彼が演じるニコラが、これまたあり得ないほどの“いい人”で、この作品にはなくてはならない重鎮的役割を十二分に果たしている。財産をすべて失ったコランに解雇されて、給金は要らないから今のままいさせて欲しいだなんて、思わず目頭が熱くなるようなシーンもあった。