評     価  

 
       
File No. 2107  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2014年10月25日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アントワーン・フークア  
       
上 映 時 間   132分  
       
公開時コピー   19秒で
世の不正を
完全抹消する。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   デンゼル・ワシントン [as ロバート・マッコール]
マートン・ソーカス [as テディ(ニコライ・イチェンコ)]
クロエ・グレース=モレッツ [as テリー(アリーナ)]
ハーレイ・ベネット [as マンディ]
ビル・プルマン [as ブライアン・プラマー]
メリッサ・レオ [as スーザン・プラマー]
デヴィッド・ムニエ [as スラヴィ]
ジョニー・スコーティス [as ラルフィ]
ウラジミール・クリッチ [as ウラジミール・プーシキン]
アレックス・ヴィードフ [as テヴィ]
ジェームズ・ウィルコックス [as ペダーソン]
 
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あ ら す じ    ホームセンターの従業員として勤務する、元CIAの凄腕諜報員ロバート・マッコール。同僚のラルフィの警備員テストを手伝いながらm穏やかな日々を送るマッコールには、裏の顔があった。それは、警察が介入できない不正やトラブルを身の周りにあるモノ全てを武器に変え、瞬時に解決することであった。
 ある夜、馴染みのカフェで娼婦の少女テリーと出会う。彼女を囲っているロシアンマフィアの非道を知ったマッコールは、彼の中で眠っていた正義感が目を覚まし、彼にしか出来ない“仕事”の遂行を決意。世の中の不正を完全抹消する“イコライザー”と呼ばれる男、マッコールは元ロシア特殊部隊のロシアンマフィアに対峙していく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    “デンゼル作品にハズレなし”のデンゼル・ワシントン主演作。“イコライザー”とは、総合特性を平坦にするための等化器で、世の中の悪というひずみを補正することからのネーミングだろう。個人的には、“イコライザー”というよりも、世の中の悪を消し去るのだから“イレイザー”の方がしっくりくると思うが、それじゃシュワちゃんとかぶってしまうからNGなのだろう。
 それにしても、デンゼル・ワシントン扮するマッコールの、全身からにじみ出るあの揺るぎない絶対的な自信はなんなんだ?凄すぎる。どんな窮地に陥っても表情ひとつ変えず、冷静に周囲の状況を観察してあらゆる物を武器に変えてしまう。下手な俳優が演じれば、単に虚勢を張っているとしか見えないが、デンゼルが演じるとこれが実に様になっているのだ。これは、俳優として数々の修羅場を演じてきた、その自信があってこその演技なのだろう。
 デンゼルがこの手の主人公を演じる作品では、ことごとく彼の行動のモチベーションとなっているのが、特定の女性を救いたいと思う気持ちだというのが多いように思う。それが、『マイ・ボディガード』のダコタ・ファニングであり、『デジャヴ』のポーラ・パットンであり、この作品のクロエ・グレース=モレッツなのだ。それはつまり、デンゼル演じる主人公は常に受け身で、自ら進んで事を起こそうとはしない、暴力をやむを得ない最後の手段と考えているキャラクターだということ。だから、この作品でも売春の元締めに対して、金銭でクロエ演じるテリーを救い出そうとしている。金銭を渡すことで、「ちゃんと俺は警告したぞ」とね。
 ロシアン・マフィアの殺し屋を演じるマートン・ソーカス(若い頃のアントニオ・バンデラスに似てる・・・・・かな?)の悪役ぶりが見事で、マッコールの暴力に一種のカタルシスを覚える。結構グロい殺害シーンも少なくないが、ロシアン・マフィアがやられるたびに爽快感を感じるのだ。ただ、いくら周囲のあらゆる物を武器に変えるといっても、ホームセンターでの決戦で敵を倒して銃を手に入れているはずなのだから、最後の武器にあんなもんを使うのは演出のやり過ぎじゃないかな(笑)。