評     価  

 
       
File No. 2696  
       
製作年 / 公開日   2017年 / 2017年11月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   西田 征史  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   ダマせる?バレる?  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   丸山 隆平 [as 大貫はじめ]
高畑 充希 [as 藤岡美沙]
石橋 杏奈 [as 奥江里子]
宮川 大輔 [as 畠山則男]
片桐 仁 [as 高梨仁]
峯村 リエ [as 米村真由美]
ユースケ・サンタマリア [as 轟良介]
市村 正親 [as 前園俊太郎]
 
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あ ら す じ    溶接工員の大貫はじめは、一時は金庫破りに手を染めたものの、今では真面目に働き恋人の藤岡美沙と幸せな同棲生活を送っていた。しかし、ある日突然昔の泥棒仲間・畠山則男から、今日盗みに入る先の鍵を開けるにはどうしてもはじめが必要だと詰め寄られる。美沙に過去のことをバラすと脅され、はじめは渋々引き受けるのだった。
 豪邸に盗みに入ったものの、家主の絵本作家・前園俊太郎や屋敷を訪れてきた新しい担当編集者の奥江里子、セールスマンの轟良介から、編集者や絵本作家、屋敷の主人に間違われてしまう。捕まりたくない一心でそれらしく振る舞うはじめだったが、さらに屋敷の隣りに済むユーチューバー・高梨仁や、奥の上司にあたる編集長米村真由美が絡まり、一層厄介な事態になっていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    当初編集者の奥江里子(おく・えりこ。おくえ・さとこではない。この点、作品中では非常に重要だったりする。)役にキャスティングされていた清水富美加が、例の一件で芸能界引退を表明したため、急遽石橋杏奈が抜擢されたという曰く付きの作品。作品自体は思ったより悪くなかった、と言うより、観る前は、サイアクの結果を覚悟して観ただけに、思った以上に面白かった。
 とは言え、キャスティングに関しては、市村正親に高畑充希、宮川大輔、ユースケ・サンタマリアという芸達者揃い(ユースケに関してはは少々クド過ぎる気もしたが)で、石橋杏奈も雑誌の編集者としては新米感があふれていて良かっただけに、主役の丸山隆平が非常に残念。とにかく主役の存在感が非常に希薄なのだ。
 主人公のはじめが前園に対しては担当編集者、奥と轟に対しては前園を演じるなんてそもそも絶対に無理なのは明らかで、そのためにいつどういう形で正体がバレるのか、嘘を演じる前半はハッキリいって気が気じゃなくて、落ち着いて観ていられない(笑)。だから、正体がバレてしまって以降は安心して楽しむことができるし、観客に興味を失わせずに引きつけるだけの訴求力があるのがいい。
 そもそもこの手の作品は、ある意味リアリティを度外視したところに面白さがあるわけで、登場人物は極端にデフォルメされている。だから、市村正親のあのキレキレの前園や、どこから観ても悪役そのものの宮川大輔、忘れちゃいけないユーチューバーの高梨仁が生まれたわけで、考えてみればユースケの演技がクド過ぎると感じたのも、裏を返せば主人公の存在感が周囲の演技について行けるほどの個性を作り出せていないためじゃないかな。