評     価  

 
       
File No. 2812  
       
製作年 / 公開日   2017年 / 2018年06月23日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ブライアン・テイラー  
       
上 映 時 間   85分  
       
公開時コピー   ある日突然、パパとママが狂い出す!  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ニコラス・ケイジ [as ブレント・ライアン]
セルマ・ブレア [as ケンドル・ライアン]
アン・ウィンターズ [as カーリー・ライアン]
ザカリー・アーサー [as ジョシュ・ライアン]
ロバート・T・カニンガム [as デイモン・ホール]
オリヴィア・クロシッチア [as ライリー]
ランス・ヘンリクセン [as メル・ライアン]
マリリン・ドッズ・フランク [as バーバラ・ライアン]
サマンサ・レモール [as ジェナ]
 
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あ ら す じ    妻・ケンドル・ライアンと長女・カーリー・ライアン、そして長男のジョシュ・ライアンの4人で平穏に暮らすサラリーマンのブレント・ライアンにとって、その日もいつもと変わらない朝から始まった。いつもと変わらない日常。若い頃に思い描いていたのとは全く違う冴えない日常だが、結婚して十数年、2人の子供にも恵まれ「幸せなんだ、コレでいいんだ」と自分に言い聞かせて暮らしている。
 いつものように会社へ行きダラダラと仕事をこなしていたブレントだったが、その日のテレビはいつもと違っていた。親が実の子供を殺害したという陰惨なニュースがひっきりなしに報じられているのだ。国中がパニック状態に陥る中、愛する子どもたちの身を案じるブレントは、仕事を早退して帰宅する。
 「良かった、子供たちは無事だ。」しかし、愛しい我が子の顔を見た瞬間、彼の中で何かがはじけ飛ぶ。この子たちを殺さなければ!!ブレントは正体不明の殺意に突き動かされていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ニコラス・ケイジが「ここ十数年の出演作の中で、一番気に入ってる作品さ!」と語っているらしいのだが・・・・・ホンマかいな?「ここ数年」だったらまだしも、「ここ十数年」の作品には『ナショナル・トレジャー』2作品といった大作を筆頭に、『ワールド・トレード・センター』、『ノウイング』、それに私の好きな『キック・アス』や『魔法使いの弟子』など、それなりの制作費をかけたメジャー作品が目白押しというのに・・・・・。まぁ、観ている側としては、少なくとも先週公開だった駄作の『ダークサイド』よりは遥かに楽しめるのは間違いないのだが。
 そのニコラス・ケイジだが、以前だったら大作の谷間にこの手のB級作品に出演するというのが定例となっていたのだが、このところやたらとB級作品への出演が増えている気がする。調べてみると、どうやら理由はわからないが多額の借金を抱えたために、ギャラのためになりふり構わず出まくっているとか。彼くらいのクラスの役者だと、今までに築き上げた資産も想像を絶する額だろうに、それをすべて費消してさらに借金を作とは、一体何をやらかしたのか興味津々ではある。
 尺が90分未満とかなり短めで、そのためかウイルスなのか化学兵器なのかは知らないが、何ら筋道の通る説明もないまま親が我が子を殺したい衝動に駆られて殺戮を始めるのだ。そして、ラストも殺戮衝動が収まることなく、「事が起こった原因も、そしてその結末も、観客が勝手に想像してくれ。」的な終わり方だった。
 作品のジャンルはホラーやパニックに属するようだが、ブラックなコメディ作品というのが最もふさわしい。ニコラス・ケイジ演じるブレントと、セルマ・ブレア演じるケンドルの夫婦が、狂ったように・・・・・じゃなくて、文字通り狂って子供に襲いかかる様子は、演技が迫真であればあるほど妙に面白おかしく見える。特に、ブレントの両親が訪れてからは、カーリーとジョシュを殺そうとするブレントとケンルド、さらにはそのブレントとケンドルを殺そうとするメルとバーバラという殺意の二重構造に、もう笑わずにはいられなかった。そんな役柄を、ニコラス・ケイジガ嬉々として演じているように見えるのは、彼が現実から逃れたいという切実な思いの表れか、と思うのは勘ぐりすぎじゃないだろう。