評 価
File No.
3381
製作年 / 公開日
2021年 / 2021年06月11日
製 作 国
日 本
監 督
永井 聡
上 映 時 間
125分
公開時コピー
描いてはいけない、
主人公だった
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
菅田 将暉
[as 山城圭吾]
Fukase
[as 両角]
高畑 充希
[as 川瀬夏美]
中村 獅童
[as 真壁孝太]
小栗 旬
[as 清田俊介]
中尾 明慶
[as 大村誠]
松田 洋治
[as 辺見敦]
宮崎 吐夢
[as 本庄勇人]
岡部 たかし
[as 加藤一郎]
橋爪 淳
[as 山城健太]
小島 聖
[as 山城由紀]
見上 愛
[as 山城綾]
テイ 龍進
[as 浅野文康]
小木 茂光
[as 奥村豊]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
漫画家として売れることを夢見る
山城圭吾
。高い画力があるにもかかわらず、お人好しすぎる性格ゆえに、彼の描こうとするサスペンスのリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。
ある日、師彼が師事する作家の依頼で、「誰が見ても幸せそうに見える家」のスケッチに出かける。そして、住宅街の中でこれはと思う一軒を見つけたたかれは、ふとしたことから中に足を踏み入れてしまう。彼がそこで目にしたのは、無残に惨殺されて血まみれになっていた4人の家族と、家を立ち去ろうとする犯人の姿だった。
事件の第一発見者となった山城は、警察の取り調べに「犯人を見ていない」とおおおおお嘘をつく。そればかりか、自分だけが知る犯人を元に殺人鬼の“ダガー”というキャラクターを生み出し、サスペンス漫画『34(さんじゅうし)』を描き始めるのだった。これが異例の大ヒットとなり一躍売れっ子作家となった山城は、恋人の
川瀬夏美
と結婚して、満ち足りた生活を手に入れるのだった。
ところが、まるで『34』で描かれた物語を模倣するかのような、4人家族が次々と襲われる事件が続く。刑事の
清田俊介
は、漫画の内容と事件が酷似していることを不審に思い、山城に目をつける。共に事件を追う
真壁孝太
は、ともすれば暴走してしまう清田を心配しつつも、清田を温かく見守るのだった。そんな中、山城の前に再びあの殺人犯が姿を現す・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
もういい加減に見飽きた気がしないでもない菅田将暉主演の、猟奇殺人をモチーフに描かれたサスペンス。刑事役を小栗旬が演じているあたり、2016年の『ミュージアム』を思い起こさせるものがある。『ミュージアム』のように、ともすれば重苦しくて救いようのない作品になってしまうところだが、小栗旬と山城の恋人・夏美を演じる高畑充希の2人が、一抹の清涼剤の役割を果たしてくれている。
殺人犯の“ダガー”を演じたFukaseという男、どこかで見たような気がすると思ったが、SEKAI NO OWARIのボーカルだったとは全く気がつかなかった。それもそのはず、メンバーにはDJ LOVEという、あまりに強烈な見た目の男がいるために、他のメンバーには目が行かないから(笑)。で、そのFukaseだが、この作品のようなサイコパス役があまりにハマっていて、「コイツ、地で演じているんじゃないのか?」と思えるほどだった。 物語は、ある特殊な環境で育った男“ダガー”が、幸せな家族を妬んで惨殺するというものなのだが、その殺人は菅田将暉演じる主人公・山城圭吾の描いた作品通りに行われるというもの。最初の事件こそ、まずは殺人ありきでその光景を漫画に描いているのだから、殺人現場と漫画の描写がソックリなのは当然。けれども、2件目以降は漫画に描かれた殺人を、犯人の“ダガー”が模倣して行うというのは、サラッと無難に描かれているように思えるが、よく考えてみると設定に無理があって、ツッコミ所は少なくない。
そもそも、当初一家惨殺事件の容疑者とみなされた辺見敦なる人物と“ダガー”との繋がりが今ひとつわからない。“ダガー”の言うように辺見が彼のファンだったとしても、単なるファン心理のみで殺人まで犯すものなのか?もっとも、この辺見という男、心神耗弱状態にあるのではないかと思われるフシがあるから、そんなこともあるのかなぁ、とは思うけど。