評 価
File No.
0946
製作年 / 公開日
2008年 / 2009年03月20日
製 作 国
アメリカ
監 督
アダム・シャンクマン
上 映 時 間
100分
公開時コピー
ファンタジーが、あふれだす。
子供たちに語らせてはならない・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
アダム・サンドラー
[as スキーター・ブロンソン]
ケリー・ラッセル
[as ジル]
ガイ・ピアース
[as ケンドル・ダンカン]
ラッセル・ブランド
[as ミッキー]
リチャード・グリフィス
[as バリー・ノッティンガム]
ジョナサン・プライス
[as マーティ・ブロンソン]
コートニー・コックス
[as ウェンディ]
ルーシー・ローレス
[as アスペン]
テリーサ・パーマー
[as バイオレット・ノッティンガム]
ローラ・アン・ケスリング
[as ボビー]
ジョナサン・モーガン・ハイト
[as パトリック]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
父
マーティ
の経営するホテルが大好きだった
スキーター
少年。しかし、ホテルは経営難に陥り、やむなくマーティはホテルを
ノッティンガム氏
に売却することを決意する。スキーターが大人になったら、ホテルの経営を彼にまかせることを約束して。そして月日は流れた今、ノッティンガム氏はそんなマーティとの約束は忘れてしまったようで、スキーターはホテルの設備係に甘んじる毎日を送っていた。
ある日スキーターは、
パトリック
と
ボビー
の2人の子供を1週間ほど預かるよう姉の
ウェンディ
から頼まれる。ウェンディが校長を務める学校が閉校になるため、新しい仕事を探しにアリゾナへ出かけるためだった。昼間は学校の教師でもあるウェンディの友人
ジル
がいるので、彼が子供の面倒を見るのは夜だけだった。そして、最初の夜。子供たちは寝る前のお話、ベッドタイム・ストーリーをスキーターにねだる。そこで、スキーターはかつてマーティが自分にしてくれたように、即興で作った物語を聞かせることにした。
スキーターが語るハチャメチャな物語には、ノッティンガム氏や友人の
ミッキー
、ノッティンガム氏の美しい娘
バイオレット
、それにジルやボビーにパトリックも登場し、悪役はホテルの重役
ケンドル
、そしてもちろん主人公はスキーターだった。ところが、スキーターのお話に満足しないボビーとパトリックは、勝手に奇想天外なストーリーに変えてしまう。すると、不思議なことに子供たちが作った話が現実のものとなるのだった。
ノッティンガム氏は新しいホテルの建設を発表し、そのホテルのコンセプトをケンドルとスキーターがプレゼンし、勝った方に経営を任せると言い出す。そこで、スキーターは2人の子供にスキーターとケンドルが競って勝つような物語を作らせようと考えた。しかし、その新しいホテルの建設予定地がウェンディの学校を取り潰した跡地であることを、スキーターは知る由もなかった・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
子供が語る物語通りの荒唐無稽な出来事が現実にも起きるファンタジーで、主人公のスキーターはそれを利用して現実ではあり得ないハッピーエンドを手にする、そんな作品を予想して観たのだが、少々趣が違ったようだ。確かに、毎夜スキーターが自分を主人公にして語る物語を子供たちが勝手にアレンジすると、現実でもそれらしき展開にはなるのだが、それがどこか妙に現実的だったりして、そこがまた面白い。例えば、火の玉で燃えかすになるはずだったスキーターが、ボスから「お前は燃えかすだ!」と解雇を言い渡されたりして。
だからこそ、スキーターが子供たちにストーリーを作らせて現実を自分の都合のいいように変えようとしても、なかなか上手く運ばない。楽をして濡れ手に粟のような美味しい思いはできない、というディズニーらしい主張がそこには込められている。そして、スキーターが語った「ハッピーエンドなんてない」という言葉は、実はハッピーエンドが存在しないのではなく、ハッピーエンドを手に入れるためにはそれなりの努力が必要だというテーゼに転換されていく。この作品でのハッピーエンドを実現したのは、子供たちが作った物語などではなく、スキーター自身が考え行動した成果に他ならない。だから観ている側もスキーターに共感できるし、バイクで疾走するシーンにはハラハラしながらも応援したくなる。そして、スキーターと共に心地よいラストを迎えられるのだ。嫌みのない正攻法で描かれたコメディ作品で、家族揃って楽しめる秀作になっている。アダム・サンドラーのコメディ・センスが実に見事にマッチしていると言えるだろう。