評 価
File No.
1199
製作年 / 公開日
2009年 / 2010年04月24日
製 作 国
アメリカ
監 督
リー・ダニエルズ
上 映 時 間
109分
公開時コピー
プレシャス・ジョーンズ16歳。
2人目の子供を身ごもり、愛を受けずに育った少女。
ある教師との出会いが、彼女に奇跡を起こす
。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ガボレイ・シディベ
[as プレシャス・ジョーンズ]
モニーク
[as メアリー・ジョーンズ]
ポーラ・パットン
[as ミズ・レイン]
マライア・キャリー
[as ミセス・ワイス]
シェリー・シェパード
[as コーンロウズ]
レニー・クラヴィッツ
[as ナース・ジョン]
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あ ら す じ
1987年、ニューヨークのハーレム。16歳の少女
プレシャス・ジョーンズ
は、肥満で文盲のうえ2人目の子供を身ごもっていた。子供の父親はいずれも実の父親で、あろうことか彼女は父親にレイプされて身ごもったのだ。彼女の母
メアリー
は仕事もせずに生活保護を受け、しかもプレシャスの子供に支給された手当もすべて奪い取り、そのうえプレシャスを虐待する有様だった。やがて学校に妊娠が知れてしまったプレシャスは、退学を告げられてしまう。
学校の先生に勧められたプレシャスは、とあるフリースクールに通い始める。そこで若い女性教師
ミズ・レイン
と運命的な出会いを果たしたプレシャスは、次第にレインに対して心を開くようになる。そして、彼女はそれまで知ることのなかった学ぶことの喜びを知り、初めて自分の意志で自分の人生を見つけるための第一歩を踏み出そうとした。ところが、そんな彼女の元に面会に訪れたメアリーは、プレシャスに父親が亡くなったことを告げる・・・・・。
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たぴおか的コメント
主人公プレシャスの母親を演じたモニークが、オスカー助演女優賞を受賞した作品。事前に予備知識を仕入れることをしない私にも、この作品に関する情報は自然と入ってくるもので、どんな作品なのかうすうす察しはついていた。ところが観てみると、プレシャスが置かれた想像を超える過酷な環境に圧倒された。プレシャスに家事を押しつけておきながら、そんなプレシャスを罵倒するのみならず暴力さえふるいながら、何ら恥じるところのない母・メアリー。スクリーンには登場しないが、実の娘プレシャスをレイプして二度も妊娠させた父親。アメリカのスラムでは珍しくない光景なのかもしれないが、日本で安穏と暮らす私にとっては充分衝撃的な日常だった。
人間はどんな最悪な状況に置かれても、精神が崩壊しないように防衛機能が備わっていて、プレシャスにとっては現実から妄想の世界へと逃避することで辛うじて精神の平穏を保っていた。そして、妄想の世界の彼女はいつも光り輝いているのだ。妄想の世界が華やかさが、彼女の置かれている現実の悲惨さをさらに際立たせていて、だからこそ彼女は現実の世界で他人との関わりを極力避けようとするのだろう。
そんなプレシャスが変わるきっかけとなった、フリースクールのミズ・レインを演じるポーラ・パットンの美しさと嫌みのない利発さが光る。そして、ミズ・レインと触れ合って、初めて現実の世界で生きていく光を見いだすプレシャスに、さらにたたみかけるように襲いかかる不幸は観ていて可哀相で仕方がない。そんな状況に追い込まれてもなお、2人の子供を抱いて前向きに生きようとするプレシャスを観ると、フィクションながら幸せになって欲しいとついつい思ってしまう。