評     価  

 
       
File No. 1305  
       
製作年 / 公開日   2010年 / 2010年11月06日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   柴田 大輔 / 世界のナベアツ  
       
上 映 時 間   87分  
       
公開時コピー  
        パ〜
100 % アホ
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   宮川 大輔 [as 早川刑事]
ケンドーコバヤシ [as 番場刑事]
吹石 一恵 [as 神崎恵]
釈 由美子 [as 原田裕美]
世界のナベアツ [as ナベアツ大統領]
大杉 漣 [as ボム緒方]
志賀 廣太カ [as タツキチ]
前田 吟 [as 署長]
宮迫 博之 [as ミドリゴリラ]
仲村 トオル [as ヒットマン・ジョー]
水野 透 [as ホームレス]
中川家・剛 [as そば屋]
中川家・礼二 [as チンピラ]
高橋 茂雄 [as チンピラ]
河本 準一 [as チンピラ]
小杉 隆一 [as 警官]
岩尾 望 [as 照明]
レイザーラモンRG [as スッパイダー]
 
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あ ら す じ    史上最悪の不況とそれに反してうなぎ登りの犯罪発生率にあえぐ大阪。そんな中で行われた知事選挙で、大方の予想を裏切って当選したのは世界のナベアツだった。そして、彼は公約としていた大阪の日本からの独立を3ヶ月後に実行すると高らかに宣言したのだった。
 大阪市内で発生した銀行強盗の立て籠もり事件の現場に現れたのは、大阪府警の迷コンビ・早川刑事番場刑事。2人はアホなあの手この手を使って犯人の説得を試みるがその甲斐なく、挙げ句の果てに犯人と一緒に署連行されてしまうという失態を演じてしまった。2人に対して怒り心頭に発した署長は、2人にナベアツ大統領暗殺を予告した数々の手紙を見せ、ナベアツを暗殺しようとする犯人を捕らえるよう命じるのだった。
 ナベアツ大統領就任記者会見の日、大統領暗殺を予告した組織が会場に差し向けた刺客は、スナイパーのヒットマン・ジョーだった。ナベアツ狙撃に邪魔が入ったため、ジョーは毒殺を試みるがそれも失敗してしまう。それでも諦めない組織は、爆弾のプロ・ボム緒方や鍼師のタツキチら腕利きの殺し屋が次々に差し向けてくる。一方、アホな犯人捜査で空回りを続ける早川と番場は、一向に犯人の手掛かりを掴むことができずにいた。果たして2人はナベアツ大統領を刺客から守ることができるのだろうか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    上映前のスクリーンに注意書きが映され、「100%アホになって観るように」とのことで・・・・・どうやらその“100パ〜アホ”になりきることができた幸せな輩が私の後方に数名いたようだが、残念ながら私には無理、理性を捨てきれない(笑)。そして、どうも彼ら“100パ〜アホ”になりきった連中と私とでは笑いのツボが違うようで、私が思わず笑ってしまうシーンでは静まりかえっている彼らが、「何でここで笑うかな?」と思うようなシーンで笑い声をあげていたのには少々迷惑だった。
 作品の大まかなストーリーは、世界のナベアツが大阪府知事に当選して大阪を日本から独立させるという、井上ひさしの「吉里吉里人」の吉本バージョンといったところだ。そして「吉里吉里人」にはベルゴ17という、ゴルゴ13のパロディ版の殺し屋が登場するが、この作品でナベアツ大統領を狙う殺し屋が仲村トオル、大杉漣、そして志賀廣太カという異色の面々なのだが、彼らが大まじめでこんな作品に登場していること自体は凄いと思う。特に大杉漣さん、宮迫博之扮するミドリゴリラとの掛け合いといい、よくもあんな役柄を引き受けたものだと感心してしまう。
 観光客を誘致するためのオモローランド、通天閣の打ち上げ、大阪を支える新エネルギーの笑力発電など、いかにも吉本らしいまさに“100パ〜アホ”のアイデア満載なのはいいのだが、どうしても私にはそれらがスベっているように思えて仕方ない。宮川大輔とケンドーコバヤシが扮する刑事の迷コンビも、スクリーンに登場するシーンこそ華々しく笑えるのだが、それ以降はイマイチだった。唯一の救いは、そんなスベりまくりのナベアツ大統領を健気に支える、原田裕美を演じる釈由美子の可愛さかな。あ、それと、ナベアツ大統領と早川刑事の子供時代を演じた少年2人。よくあれだけ本人にソックリな子供を見つけ出したものだと、その点は賞賛に値するね。