評 価
File No.
1690
製作年 / 公開日
2012年 / 2012年11月17日
製 作 国
日 本
監 督
タナダ ユキ
上 映 時 間
142分
公開時コピー
生きる。
それだけのことが、
何故こんなに苦しくて愛おしいのだろう。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
永山 絢斗
[as 斉藤卓巳]
田畑 智子
[as 岡本里美(あんず)]
窪田 正孝
[as 福田良太]
小篠 恵奈
[as あくつ純子]
田中 美晴
[as 松永七菜]
三浦 貴大
[as 田岡良文]
銀 粉蝶
[as 岡本マチコ]
梶原 阿貴
[as 長田光代]
吉田 羊
[as 西村あや]
藤原 よしこ
[as 野村先生]
山中 崇
[as 岡本慶一郎]
山本 浩司
[as 有坂研二]
原田 美枝子
[as 斉藤寿美子]
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あ ら す じ
高校生の
斉藤卓巳
は、助産院を営む母
斉藤寿美子
との2人暮らし。友人に誘われて行ったアニメの同人誌販売イベントで、あんずと名乗るアニメ好きの主婦・
岡本里美
にナンパされる。里美は卓巳を自宅に招き、大好きなアニメキャラクターのコスプレをさせて情事に至る。以降、里美が用意した台本通りにセリフを言いながらコスプレセックスをすることが日常的になっていた。ところがある日、卓巳は同級生の
松永七菜
に告白され、里美との関係を断つことを決心する。
里美は、元いじめられっこ同士で結婚した夫・
岡本慶一郎
と2人暮らしだった。執拗に子作りを求める姑・
岡本マチコ
からは不妊治療や体外受精を強要され、マザコンの夫は頼りにならず、卓巳との関係だけが心の拠り所だった。しかし2人の関係を夫と姑に知られてしまい、里美は土下座して離婚を懇願するが受け入れられず、代理母を捜すためにアメリカに行くことが決定する。
卓巳の親友・
福田良太
は、団地での極貧の生活に耐えながらコンビニでバイトしていた。店長の
有坂研二
からは“団地の住民たち”と蔑まれ、共に暮らしている痴呆症の祖母は辺りを徘徊、新しい男と暮らしている母親には消費者金融の督促が後を絶たない。だが、バイト先の先輩で元予備校教師の
田岡良文
が「団地から脱する武器を準備しろ」と勉強を教えてくれるようになる。痴呆が進んだ福田の祖母を父親の病院に入院させる田岡だったが、彼もまた心の闇を抱えていた。
福田と同じ団地に住む
あくつ純子
は、アニメ好きの姉が見つけたという写真のプリントアウトを七菜に見せる。それはコスプレした卓巳の写真だった。卓巳と里美がセックスしている写真と動画がネットでばらまかれていたのだ。学校でも瞬く間に写真が出回り、卓巳は家に引きこもってしまう。学校に来なくなった卓巳の家庭訪問に斉藤助産院を訪ねた担任の
野村先生
を見て、寿美子はお腹に子供がいることを見抜く。妊娠したことを誰にも言っていないという野村だったが、寿美子の助手・
長田光代
の協力で野村の結婚が正式に決まる。
そんなある日、寿美子が夜の神社を訪れると、そこには涙に濡れた卓巳がいた。息子の横で、目を閉じて手を合わせる寿美子。そして「生きててね。あんたも命のひとつなんだから、生きて、そこにいて」と卓巳に呟くのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
田畑智子が主演であることだけが理由で、ノコノコと劇場へ向かい、挙げ句に公開したという、私にはよくありがちなパターンの作品だった。まさか彼女があれほど大胆に全裸でセックス・シーンを披露しているとは思わなかったが、その点を除けば構成も気に入らなければストーリーも面白いとは思えない。DVD鑑賞にとどめておけば良かったと後悔させられた。
そもそも、時間軸をあれだけバラバラにする必要がどこにあるのだろうか?142分と尺が長めなのも、実は同じシーンが複数回繰り返されるためで、そんな小細工をしなければ2時間以内の尺収まって、もっとすっきりとした作品になっただろう。また、前半と後半では明らかに別のストーリーが展開し、後半は永山絢斗がちょっと登場するくらいで、田畑智子に至ってはまったく出番がないのだ。
時間軸がめちゃくちゃだから、ストーリーの展開を把握するのにも苦労する。例えば、卓巳とあんずのラブシーンの直後に出会いのシーンが描かれるといった有様なので、最初は何が何だか理解不能に陥ってしまいそうだった。そして、観終えた後には何も残らない。残るのは142分という時間を無駄に費やしてしまったという思いくらいだろうか。田畑智子の体当たりの演技に応えるだけの力が作品になかったことが残念だ。