評     価  

 
       
File No. 2357  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2016年03月04日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アダム・マッケイ  
       
上 映 時 間   130分  
       
公開時コピー   世界経済の破綻を予測した
4人のアウトローがいた
    
ウォール街VSアウトロー
これがリーマンショックの真実だ。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   クリスチャン・ベイル [as マイケル・バーリ]
スティーヴ・カレル [as マーク・バウム]
ライアン・ゴズリング [as ジャレッド・ベネット]
ブラッド・ピット [as ベン・リカート]
ルディ・アイゼンゾップ [as ルイス・ラニエリ]
ケイシー・グローヴズ [as ファンドマネージャー]
マリサ・トメイ [as シンシア・バウム]
アデペロ・オデュイエ [as ケイシー・タオ]
レイフ・スポール [as ダニー・モーゼス]
ハミッシュ・リンクレイター [as ポーター・コリンズ]
ジェレミー・ストロング [as ヴィニー・ダニール]
ジョン・マガロ [as チャーリー・ゲラー]
フィン・ウィットロック [as ジェイミー・シップレイ]
デイヴ・デイヴィス [as バーリの助手]
メリッサ・レオ [as ジョージア・ヘイル]
カレン・ギラン [as エヴィ]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    2005年、へヴィメタルをこよなく愛する金融トレーダーのマイケル・バーリは、格付の高い不動産抵当証券の事例を何千も調べていくなかで、返済の見込みの少ない住宅ローンを含む金融商品、サブプライム・ローンが数年以内に債務不履行に陥る可能性があることに気付く。しかし、その予測はウォール街の銀行家や政府の金融監督機関からまったく相手にされなかった。
 そんな中マイケルは“クレジット・デフォルト・スワップ”という金融取引に目をつけ、ウォール街を出し抜こうと画策する。同じ頃、マイケルの戦略を察知したウォール街の銀行家ジャレッド・ベネットは、信用力の低い低所得者に頭金なしで住宅ローンを組ませている大手銀行に不信感を募らせるヘッジファンド・マネージャーのマーク・バウムを説得し、“クレジット・デフォルト・スワップ”に大金を投じるよう勧める。
 また、今は一線を退いた伝説の銀行家であるベン・リカートは、この住宅バブルを好機と捉えウォール街で地位を築こうと野心に燃える投資家の2人から相談を持ち掛けられる。ベンは自分のコネクションを使って、彼らのウォール街への挑戦を後押しすることを決意する。
 3年後、住宅ローンの破綻をきっかけに市場崩壊の兆候が表れ、マイケル、マーク、ジャレット、ベンは、ついに大勝負に出る・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    正直言って、この作品を細部に至るまで完璧に理解出来る人間なんていないんじゃないの?そう思えるほど、専門用語の嵐、アルファベットの略称もどれもこれも似通っていて何が何だか判別がつかなくなる、そしてテンポは異様に早い。これじゃ途中でついて行くのを諦めてしまうのがオチだ。また、原題“THE BIG SHORT”の“SHORT”が「空売り」を意味するのだろうことは、冒頭に説明があったために理解出来た(つもり)だが、いざ本編ではひたすら「買い」ばかりで、いったい何を空売りしているのかも理解不能。
 そんなわけで、これほど観る者に対する配慮を欠いた作り手の自己満足、もっと嫌な言い方をするならば、作り手の自慰行為に等しい作品も珍しいと思う。自称・他称を問わずトレーダーと名の付く、株の売買で大金を稼ぐ輩ならいざ知らず、私のように株に関してはド素人の人間にとっては、題材自体は非常に興味深いテーマだし、俳優陣も豪華。だが、それが製作者の自己満足に終わってしまっていて、残念ながら観客に面白さが伝わって来ない。映画は観客が観て楽しんで初めて価値があるのであって、どれほど制作側が満足できたとしても、面白さが観客に一向に伝わってこないような作品は公開しても無意味だし、さらに言えば製作すること自体意味がない。
 この作品を観て、「リーマン・ショックが何なのかわかった」「金融に関して勉強になった」なんて、いかにも知ったような感想を語る観客は少数派であって欲しいのだが・・・・・。