評 価
File No.
2961
製作年 / 公開日
2018年 / 2019年03月08日
製 作 国
アメリカ
監 督
クリント・イーストウッド
上 映 時 間
116分
公開時コピー
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
クリント・イーストウッド
[as アール・ストーン]
ブラッドリー・クーパー
[as コリン・ベイツ]
ローレンス・フィッシュバーン
[as DEA特別捜査官]
マイケル・ペーニャ
[as トレヴィノ]
ダイアン・ウィースト
[as メアリー]
タイッサ・ファーミガ
[as ジニー]
アリソン・イーストウッド
[as アイリス]
アンディ・ガルシア
[as レイトン]
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あ ら す じ
退役軍人の
アール・ストーン
はデイリリーというユリの栽培に情熱を燃やし、園芸の世界では一目置かれる存在だった。けれども、その代償として家族をないがしろにしてしまい、90歳になろうとする今は家族との間に埋めがたい溝を抱え、孤独な日々を送っていた。やがてインターネットという時代の波に乗り損ねたアールは、農園の経営にも行き詰まってしまう。
そんな時、“車の運転をするだけで大金がもらえる”という仕事を紹介される。アールは軽い気持ちで引き受けると、仕事を終えて戻った車には約束通りの報酬が置かれており、しかもそれは彼が予想もしなかった大金だった。最初は一度きりのつもりで引き受けた仕事だったが、彼の友人が経営する退役軍人たちの溜まり場のBARを救うために彼はやむなく仕事を引き受け、やがては進んで仕事を引き受けるようになっていくのだった。
何度目かの仕事に臨んでいた彼は、つい誘惑に負けて運んでいる荷を開けてしまうと、出てきたのは大量のコカインだった。しかも、それは凶悪なメキシコの麻薬カルテルのブツだった。こうしてアールは麻薬の運び屋に手を染めてしまい、やがてはカルテルのボスに紹介されるほどの大物運び屋になっていく。けれども一方では、DEA(アメリカ麻薬取締局)が、一度に桁外れの大量のコカインを運搬する運び屋に目を光らせていた・・・・。
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たぴおか的コメント
クリント・イーストウッド御大が『グラン・トリノ』以来10年ぶりに監督・主役を務めた作品。「90歳運び屋」という記事をモチーフにした作品で、事実を忠実に再現した話ではないようで、あくまで“Inspired true story”といったところらしい。『ハドソン川の奇跡』や『15時17分、パリ行き』そしてこの作品と、他の監督が見過ごすあるいはスルーするような事件をモチーフに、観る者を退屈させることなく引き込んでいく作品を作るとは、その手腕には頭が下がる。
とは言え、『15時17分』は内容が思ったより残念な出来で(恥ずかしながら若干意識を失ってしまった)、しかも前述の2作品とも100分を切る短い尺だったから、そろそろイーストウッド御大も引退か?なんて危惧もあったが、テレビで観た本人へのインタビューでは「これが最後だなんてとんでもない」的なノリだったし、実際に作品を観てもまだまだ意気盛んなようで安心した。
この作品は、前記の作品と違って何らセンセーショナルな出来事が起きるわけじゃなく、あらすじを聞いても「まぁ、ありがちなお話で・・・・・」で終わりそうな物語なのだが、不思議とイーストウッド御大がメガホンを執ると退屈させられずに最後まで連れて行かれる。なぜそうなのか、彼の監督作は他の監督のそれとどう違うためにそう思えるのか、未だに理由はわからない。もしかしたら、「イーストウッド作品にハズレなし」なんていう先入観が大きく働いているかもしれない。ただ、元ネタが非常に面白そうな話なのに、観るも無残な作品に仕上げられた『サムライなんちゃら』などとは大違いなのは確かだと思う。
このまま続けると賛辞ばかりでおわってしまいそうだから、ひとつだけ注文をつけさせてもらうならば・・・・・ラストの裁判シーンは割愛した方が良かった。特に、裁判官が話そうとするのを遮って「自分は有罪だ」とのたまわるシーンは、現実でもその通りだったのかも知れないが、あまりに美談過ぎてかえって作品を損ねてしまったんじゃないかと。ブラッドリー・クーパー演じる捜査官に逮捕されたシーンで、せっかく上空にヘリがいるんだから、空からの映像でカメラをどんどん上空に引いていって終わり、の方が個人的には良かったように思う。ただ、裁判所でアールの家族が皆傍聴席にいて、家族との絆を再構築できたことがわかり心底ホッとした。最も大切な物を取り戻せてよかったね、タタ。