Diary

福島大臣罷免


 米軍基地の普天間問題で、政府の辺野古移設案に対して断固として拒否を続けていた福島消費者・少子化担当相がついに罷免される事態に及んだ。

 昨年の総選挙にあたり、鳩山首相は公約として普天間基地の県外移設を主張してきた。そしてその公約が絵に描いた餅のようなあまりに具体性に欠ける公約であったことは事実で、その点では鳩山首相は非難を受けてしかるべきだ。

 そして、福島氏が一野党の党首としてであれば鳩山首相を批判し、辺野古移設に断固として反対するのも当然の態度だと言える。

 だが、民主党・国民新党・社民党の連立与党に参画し、自らも国務大臣という地位にありながら、鳩山首相の説得にもかかわらず政府決定を拒絶するのは、少々大人げない振る舞いのように思える。

 彼女が頑なに沖縄県外への移設を主張し、仮にそれが実現したとしよう。彼女はそれで大満足かもしれないが、新たに基地の移設先となった都道府県の不満をどう考えるつもりなのか。沖縄を思いやる一方で、新たな移設先に関してはどうでも構わないとでもいうのか。彼女はその新しい移設先となった都道府県を納得させられるとでもいうのだろうか。答えは断じて「否」だ。

 つまり、彼女には依然として少数野党の党首という偏狭な物の見方しかできないのだと言わざるを得ない。国政全体を見て判断するという、大局的な視野と判断力を持たない人間は、国務大臣としての資質に欠けている。従って、私個人は今回の罷免は当然の結果だと思っている。

 ただ、今回のことで社民党が連立から離脱することはないだろうという見方は甘いと思う。党首である福島氏が罷免されたことに対する社民党の立場は極めて微妙で、連立与党から下野する可能性は極めて高いのではないだろうか。

ただ、そうなれば福島氏のように感情論で異を唱えるようないわゆる“獅子身中の虫”もいなくなるわけで、そう言う意味では政権の舵取りが容易になるのではないだろうか。

 問題は今年行われる参議院選挙だ。ここで民主党が単独過半数を占めることができれば、次の衆議院総選挙では1999年の小渕政権以来続いてきた連立与党から、民主党の単独政権へと脱却できるのだが・・・・・残念ながら参議院選挙の見通しは暗い。
2010年05月29日(土) No.17 (雑感)

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